2013 No.156
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連載-AMERICAN PHOTOGRAPHS-100
Mt. Fuji, Japan

サンフランシスコやサンタモニカのビーチから太平洋を眺めると、海の向こうの日本を思ってしまうが、
雲の中から冠雪している頭を突出した富士山の姿を見て、
「あぁ、帰ってきた」という実感が湧きあがった。日本人である。

連載 AMERICAN PHOTOGRAPHS は今回で100回となり、ここで一区切りにします。
8〜9年にわたる長い間見て頂いたみなさん、どうもありがとうございました。
次回からは、南の島のシリーズを連載します。これからもよろしくお願いします。

 


連載100
Pat Metheny Group [Offramp] 1982年

パット・メセニ−・グループは、80年代から90年代にかけてよく聴いていた。10枚以上のアルバムを持っているのがそれを物語っているが、最近は新作を追いかけて聴いたりはしていない。ここ10年は、全く知らなかったジャズ・ファンクのミュージシャンを探して、再びジャズ・ファンクをよく聴いている。その60年代半ばから70年代半ば頃までのソウル・ジャズからジャズ・ファンクのグルーブする黒い音が、次第に高度な演奏テクニックを聴かせる洗練されたフュージョンとなり、面白味を感じられず興味を失なっていった。

その後80年代になってパット・メセニ−の音を聴いて、白人なので当然黒いグルーブ感はないが、フュージョンとは違うリリックな感覚のサウンドに惹かれるものがあった。光がキラキラとしていたり、風や空気の自然を感じる情景が浮かんできたり、夢の中で旅をしているような抽象的な音など新鮮であった。初期のECMからの「Watercolors」「San Lorenzo」「American Garage」「As Falls Wichita,…」、ライブ盤「Travels」、「Offramp」「First Circle」ゲフィン・レコードに移ってからの「Still Life」「Letter From Home」やグループ・メンバーではないミュージシャンと共演して彼の名義でリリ−スした「Secret Story」も好きである。

この中で一枚を選ぶのはとても迷うが、連載100回目は、聴きはじめの頃好きだった「Are You Going With Me」が入っている「Offramp」にした。アルバム2曲目のこの曲は、ボサノバのようなビートにのって、ピアニスト、ライル・メイズのハーモニカのようなシンセサイザーの音も美しく、パットのギターソロもだんだんと上り詰めてあっちのほうへ行ってしまうようなエキサイトな感じである。3曲目「Au Lait」はライル・メイズの繊細なタッチが水の滴のようでもあり瑞々しい。パットのギターも、ときおり列車の踏み切りの警鐘の音が、ドップラー効果で後方に過ぎ去っていくような感じもあり、浮遊しているような美しい曲である。

その他5曲目タイトル曲「Offramp」は、フリー・ジャズのオーネット・コールマンを彷佛とするような激しくアブストラクトなギターが炸裂する。6曲目「James」は一転してとても優しいサウンド。タイトルはフォーク・ロックのジェイムス・テイラ−をイメージした曲のようである。テレビの天気予報か何かに使われていた聞き覚えがある曲で、5曲目の激しい後なのでホッとするサウンドである。7曲目「The Bat Part 2」は夢の中で浮遊しながら旅をしているように私には聴こえてくる。そんな、いろんなイメージを膨らまさせられるパット・メセニ−・グループのサウンドである。

8年以上にわた連載してきた。私の好きなアルバムについては、まだまだありますが区切りのいいところで終わりにします。長い間読んで頂いた方、誠にありがとうございました。次週からは、「お休み前に聴く、お薦めのやすらぎの音楽」を取り上げていきます。またアクセスしてください。

 

SANPO PHOTO 46住吉区
住吉大社の狛犬。足下に子供が居てるのが雌、毬を前足で押さえているのが雄。知ってました?

 

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