2011 No.139
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「Tree Of Life」 監督:テレンス・マリック USA 2011

寡作なテレンス・マリック監督、5年ぶりの新作を観に行った。一つのファミリーの出来事を、大人になった長男(ショーン.ペン)が回想するような展開だが、前半にいきなり宇宙、恐竜、自然の情景が出てくるので少し戸惑うが、タイトル「Tree Of Life」を照らし合わせてみると、地球の創成期や種の起源から進化を、大きな樹が多くの枝を伸ばしていくことに例えているのであろう。微生物から人間に至りさらに個々の民族、家族になり命は受け継がれていくような、気の遠くなるような非常に長い時空の流れのなかのある家族の50年をとらえるということか。そこまで考える必要があるのか疑問だが、宇宙や隕石の落下、海や森の等の自然の映像が神々しくまた命の神秘的を感じさせる。

長男の誕生から、赤ちゃんや幼い子供の目線から見る、日々の生活の映像が新鮮である。そして3兄弟となり、緑豊かな郊外の住宅地で育っていくが、父(ブラッド・ピット)は、しつけに厳しく世俗の中を生き抜く術を教え込んでいく。母(ジェシカ・チャスティン)は、聖母のように包み込む愛情とまわりの人々にやさしく接するようにと慈愛の心を伝えていく。長男は反抗期となり父親を疎ましく思い、「あの頃の父は嫌いだった」と回想するが、大人になってから父親の気持ちを理解して、かつての楽しそうな家族の笑顔を思い出す。この長男こそ監督自身であろう。マリック監督作品は、やはり映像が美しく映画館で観てよかったと思った。
大阪駅のステーションシネマで、14日現在上映中。

 

連載-AMERICAN PHOTOGRAPHS-83
Somewhere, USA

何となく眺めていたらカエルの顔に見えてきた。


連載83
Donald Fagen [The Night Fly] 1982年

AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)という言葉が使われ始めたのは、記憶が定かではないが、80年代からであろうか。ジャズから派生した、60年代後半からのソウルジャズやジャズ・ファンクから泥臭さの灰汁を抜き、70年代半ばからフュージョンという軽やかに洗練されたジャズが流行りだして、それと結びついたのが「大人に向けたロック」という、スムーズな心地よい音楽であった。

メンバー・チェンジをくり返したスティーリー・ダンは70年代半ばからドナルド・フェイゲンとウオルター・ベッカーとのユニットになって、ゲスト・ミュージシャンやスタジオ・ミュージシャンとレコーディングをしていたが、このアルバムはさらにドナルド・フェイゲンのソロアルバムとしてリリースされたものである。そのレコーディングにラリー・カールトン、マーカス・ミラー、マイケル&ランディ・ブレッカー、スティーヴ・カーン等など数多くのフュージョン・ミュージシャンが参加している

ドナルド・フェイゲンはかなりの完璧主義であろう。どの曲もすばらしく、スタジオで本当に練りに練った極上の羊羹…、ではないアルバムである。そして5曲目の「New Frontier」は当時のMTVではシェルターでのパーティを題材にノスタルジックでオシャレな楽しいアニメ映像と共に曲が流れていた。アルバム・タイトルの6曲目「The Night Fly」はイースト・コーストの真夜中に、音楽を飛ばしている小さなジャズ専門放送局についての曲。その名もまさに[WJAZ]ドナルド・フェイゲンは学生時代からジャズ・マニアで、この放送局が実在かどうかはよく知らないが、よく聴いていたのかもしれない。ク−ルにきまったバックコーラスとフュージョンの達人による演奏のハーモニー、その心地よさにくり返し聴いているが、30年も経った今も色褪せない名盤である。また、ジャケットも深夜4時過ぎの5〜60年代DJになりきったドナルド・フェイゲンである。


SANPO PHOTO
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大川の源八橋南側にビーチが出現。8月は子供達でにぎわっていたが、
今はひっそりとしてのんびりできる。

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