2011 No.137
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「奇跡」 監督:是枝裕和 2011

神戸に行く用事がある日の午前、上映時間がうまく合ったので大阪駅の上にあって移動に便利なステーション・シネマで観た。3月の大地震大津波で、九州新幹線開通のめでたさはスッ飛んでしまい、開通のCMは日の目を見ることがなくなってしまった。それは今、ユーチュ−ブでロングバージョンを見る事ができるが、鹿児島から福岡まで走る新幹線に沿線で多くの人が、「おめでとう」と手を振っている温かい気持ちになるいいCMである。

この映画は、その新幹線開通のタイミングにうまく乗ったシナリオになっている。大阪で暮らしていた小学生の兄弟(まえだまえだ)のいる家族は、離婚をして父(オダギリ・ジョー)は下の弟を連れて福岡へ、母(大塚…)は兄を連れて鹿児島の実家へ住む事になる。兄弟は時おり電話をして変化した環境について情報交換をしている。兄は桜島の火山灰が嫌だとか愚痴を言って気分は沈んでいる。弟はすぐに友達も出来て、裏庭で野菜を育てたりして、生活をエンジョイしている。兄は家族が揃って楽しかった大阪の頃にもう一度戻ってほしいと願っているが、そんな折、九州新幹線開通初日の鹿児島と福岡から出発した一番列車がすれ違うとき、奇跡がおきて願いがかなうという噂を信じて、友達を巻き込んで実行にうつすという展開である。

映画での子供達は、台詞なんだろうけど、自然に会話しているような感じで面白い。私の場合、子供の頃から随分時が経ち忘れかけているが、今の子供達の話が興味深く、笑わされた。やはり時代は変化してきびしくなっていくにつれ、私の頃よりずっと大人びている。是枝監督は「誰も知らない」でも子供を主役に撮っていたが、流石、子供の扱う映画を撮るのがうまい。「スタンバイミ−」を少し思い起こす感じで、家に帰ってきた子供達がそれぞれに少し大人になっている、さわやかなエンディングである。「歩いても歩いても」「空気人形」と確かな映画づくりの是枝監督。次の作品も何を撮るのか楽しみである。

 

連載-AMERICAN PHOTOGRAPHS-81
Yosemite National Park, California

サンフランシスコからずーと東に行ったヨセミテで、山々を眺める。
左は氷河で削られたハーフ・ドーム。


連載81
Sting [...Nothing Like The Sun] 1987年

ポリスは人気のバンドだったが、その頃はそれほど好んで聴いていた訳ではなく、ソロになってこのアルバムが出てからである。ヒット曲である「Englishman in New York」は、スカ・ビ−トをモダンにしたサウンドがとてもクールで、特にブランフォード・マルサリスのソプラノ・サックスは、さすがニュ−ヨ−クのジャズの響きを醸し、カッコいい。

そしてもう1曲が、ジミ・ヘンドリックスの「Little Wing」である。この曲はデレク&ドミノーズが取り上げていて、エリック・クラプトン泣きのギターと激情のボーカルが、それはそれでよかったが、このスティングのアレンジは、軽やかなタッチでたんたんと歌われている。もちろんギターソロがグーーと盛り上げていってピークに来たところで、ブランフォードのサックス・ソロがスーーと出てくる。短いがクールで最高にカッコいい。このサックスで、グッと曲の格調が高まっている。

その他にも、「Fragile」の美しいアコースティック・ギターがすばらしく、スティングのボ−カルとともに織りなす悲しくも美しいメロディ、「Sister Moon」も、こちらはブランフォードのサックス全面にフューチャ−した哀愁のメロディ・ラインが美しい曲である。

このアルバムが出てから日本公演が甲子園球場であった。秋の頃だったが、その日はすごく冷え込んで、ボ−カルの息が白く見えるほどでとても寒く、野球場のライブはもう懲り懲りと思った。にもかかわらず、屋根のある大阪ドームでのストーンズのライブに行ってしまった。内野席から見るステージは金網のフェンスに遮られ一体感の気分にならず、確実に野球場のライブは行かないと心に誓って現在に至っている。


SANPO PHOTO
27

大阪城を見つめるツルツルで黒光りしたアトムの後ろ姿?
ではなく、極楽橋が木星に改宗、じゃない木製に改修された。

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