連載-AMERICAN PHOTOGRAPHS-23
Grand Canyon,
Arizona

フラッグスタッフから
グランド・キャニオン行きのバス。
丸みのあるレトロなデザインがいい。
ドライバーもウエスタン・ハット、
ここは西部アリゾナ。

「カクタス・ジャック」 アレファンドロ・ロサーノ監督 2004年メキシコ

アメリカ映画の宣伝に上映開始1週間の観客動員数第1位!などど、何処の州か、田舎か、仲間内か、よく分からないデータをチラシに書いて動員を煽るケースがよくみられる。内容はガッカリすることが多い。この映画も「メキシコで記録的大ヒット!メキシコ・シティの5人に1人が見た超話題作」とチラシに書いてあった。「ほんまかいな、オーバーに書きよるからな」と半信半疑で行ってみたら、「ほんま、これは納得!」であった。上映が始まって4日目に行ったが、レイトショーで1日一回の上映なのでほぼ満席になっていた。もっとロードショウ上映してもよいと思うが、アレファンドロ・ロサーノ監督は長篇としてはこの映画がデビューだそうで知名度もないし、知られた俳優も出ていないなど、マイナーで動員が見込めないのであろうか。

シナリオもこの監督によるち密な構成でうまい。ジェット・コースター・ムービーというのだろうか?、次から次へと読めない展開であれよあれよとThe Endまで引き付けられていってしまった。内容はバラせないが、間違って誘拐する話で結構笑えるショットがあり、タランティーの監督「パルプ・フィクション」と同じ匂いを感じる。おそらくロサーノ監督は彼が好きであろう。音楽はテックス・メックスのようなメキシカン・ロックで盛り上がるパーティーのシーンの曲が楽しい。また、凶暴な誘拐犯役のラウル・メンデスは女性に人気が出そうな雰囲気を持っている。だだ、映像が切れ味が悪いのが残念である。日本でも若い監督の新芽が次々と伸びてきているが、メキシコでも同様でロサーノ監督の次が楽しみである。

9月8日までテアトル梅田でレイトショウで上映中

小さなトランジスター・ラジオから流れるポップス、ロック、R&Bを夢中に聴いた中学生の頃。 そして1969年、ジャズ喫茶等に通い始めた頃からジャズ、ブルーズにも興味をもち、今日まで聴き続けてきました。晴れのときも、雨のときもずっと一緒だった、私の大好きなミュージシャンたちのアルバムや曲を取り上げ感想を綴ります。 あなたのお好きなミュージシャンやサウンドが、私の[エンジェルズ・オブ・ミュージック]にあれば嬉しいです。 mail

連載23
Ry Cooder [Boomer's Story] 1972年録音

好きなスライド・ギターといえばもうひとりライ・ク−ダ−である。彼は戦前のブルースなどを相当聴いて、スライドやピッキング、マンドリンの奏法など研究したと思われる。彼のアルバムには戦前のブルースのみならずカントリー、フォークやR&Bなどを取り入れていて、アメリカン・トラディショナル・ミュージックの研究家ともいえるかなりオタクな人である。スライド・バーにも先人が使っていたようにシェリー酒のボトルのものを使ったりする凝り性な人でもある。

このアルバムは1970年のファーストから3枚目にあたるが、前作同様忘れ去られた曲を掘り起こして、新しいアレンジにより蘇らせている。作者不祥で?トラディショナルという表示の曲が3曲入っており、その他もほとんど昔の曲である。全曲スライド・ギターを弾いているのではなく、曲によってギター、マンドリンを使い分け奏法を変えアレンジはバラエティに富んでいる。そして、60年代初めに再発見された伝説のブルースマンだったスリーピー・ジョン・エステスもゲストで自身の曲「ケネディ大統領」を演奏している。

1曲目から3曲目までたてつづけにスライドを聴かせてくれる。6曲目「Dark End Of The Street 」はソングライターのダン・ペンによるジェイムス・カーでヒットしたR&Bの名曲である。これは、インスト・ナンバーでスライドでしっとり聴かせてくれる。どちらかといえば彼が歌わないインストの方が好きである。そして、2曲目の「Cherry Ball Blues」はアコースティックのギターにエレクトリックのスライドをダビングしているが、このようなエレクトリックのスライドでディストーションを効かせた歪んだ音が好きである。

アルバム・タイトルの1曲目「Boomer's Story」10曲目「Good Morning Railroad Man」どちらもトラディショナルという表示の曲であり、貨車に乗って旅を続けるホーボーが、亡くなったら線路の傍らに墓をつくってほしい、汽車の行き交う音が聞こえるようにとか、もうひとつは、辛くて貨車に乗って町を離れるのだが、他の男と逃げてしまった愛する女のことを考えてしまうせつない物語である。全曲アメリカン・ノスタルジー・サウンドに溢れた、まとまりのよいアルバムである。ジャケットも昔の写真のようなモノトーンでサウンドに合った雰囲気を出している。

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2006