連載-AMERICAN PHOTOGRAPHS-21
New York,
New York

自由の女神のシルエット。今はなき、ワールド・トレード・センタービルからの眺め。

小さなトランジスター・ラジオから流れるポップス、ロック、R&Bを夢中に聴いた中学生の頃。 そして1969年、ジャズ喫茶等に通い始めた頃からジャズ、ブルーズにも興味をもち、今日まで聴き続けてきました。晴れのときも、雨のときもずっと一緒だった、私の大好きなミュージシャンたちのアルバムや曲を取り上げ感想を綴ります。 あなたのお好きなミュージシャンやサウンドが、私の[エンジェルズ・オブ・ミュージック]にあれば嬉しいです。 mail

連載21
Allman Brothers Band  [At Fillmore East] 1971年録音

先月に続きまたまたスライド・ギターつながりで、オールマン・ブラザーズ・バンドのフィルモア・ライブである。イギリスから火のついたブルース・ロックが全盛の60年代後半から70年代前半の頃、アメリカでもポール・バターフィールド・ブルースバンドなどが活躍していた。そんな中1969年に現れたのが、このバンドでアルバム・タイトルもグループ名だけであった。そして3枚目が、このフィルモア・イーストの2枚組ライブ盤である。当時、南部のバンドが注目され、私も彼等を知るきっかけになったアルバムである。

ブルース・ロックでスライド・ギターを弾くギタリストはあまりなかった。私はライ・クーダ−と共にスライド・ギターの聴きはじめだったと思う。ここから、エルモア・ジェイムスなどスライド・ギターの深みにはまっていった。スカイドックと呼ばれていたデュアン・オールマンはまさに空を飛ぶようなスライドで、ディッキー・ベッツとのダブル・リードギタ−で二人の掛合いも素晴らしい。そして、ドゥ−ビー・ブラザーズもそうだったが、ダブル・ドラムス。どういう効果があるか分からないが、ステージでみれば大迫力であろう。そんなスライドの入ったダブル・リードギタ−とダブル・ドラムスという特徴のあるスタイルのバンドであった。

イギリスの先鋭的なブルース・ロックとは異なる、地元のアメリカ南部のブルースの地に根ざした、ブルース表現でよく使われる「泥臭さ」のあるどっしりとした骨太のサウンドである。このアルバムの中にあるTボーン・ウォ−カーの「Stormy Monday」スタンダード・ブルース・ナンバーを忠実に演奏している。Tボーン・ウォ−カーを知ったのもこのアルバムからで、以来私の大好きなブルースマンとなった。彼等のオリジナルで1曲目「Statesboro Blues」のうねるスライド・ギターと続いてリードをとるディッキーのギター、グレッグのヴォ−カルも加わりミディアム・テンポでドライブするサウンドが素晴らしい。続いて「Done Somebody Wrong」にはゲストのブルース・ハープをフューチャ−してこれもカッコいい。そしてぐっとテンポを落として「Stormy Monday」たっぷりとソロをとり、このA面の流れがとてもよく聴き入ってしまう。レコードB面D面は1曲20分ほどもあり、聴いている私は、途中で集中力がとぎれてしまうが、C面の「エリザベス・リードの追憶」も素晴らしい。自由なビートに各自ソロをたっぷり演奏して完全にジャズである。

アルバム・ジャケットは、メンバーが機材の前でくつろいでいる全面モノクロ写真で、大好きな1つである。 このジャケットがCDでは「あれ、カラーだ!」という驚きがあった。そして、レコードでは2枚組でも入りきれなかった曲が、次のアルバム「Eat A Peach」に収められていたが、CDはフィルモア・ライブの全貌が2枚組みとなって、収められている。全くそれまで聴いたことのない曲もあって嬉しい編集である。

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2006