扇町ミュージアムスクエアが無くなる!?

そこには芝居のスペースや映画館、今年内装が変わったが[スタッフ]というNYロフトスタイルのカフェ、ギャラリー・ギルドがあり文化的スペースであった。映画館では、いくつもの映画を観た。 [スタッフ]では時々ライブもあり、友人の演奏会もここで聞いたことがある。ギルドでも友人が個展が開催したり、ちょこちょこいろんな作家の個展も観に行っていた。

関西電力のオール電化キャンペーンに押され気味の大阪ガスは、文化どころでは無くなったのか?どんな建物が出来るのであろう。これらのスペースは、新しいビルに是非入れて欲しい。間違っても、なんの素っ気もない安上がりに仕上げた貸しビルにはして欲しくないものである。

そんなことで、扇町ミュージアムスクエア映画館では11月12月は[Our Favorite Movies, Domestic Version]と題して日本映画が7本ずつ週替わりで49本上映される。関西屈指の邦画通三氏のセレクトによる新旧取り混ぜての上映である。

古いところでは1941年マキノ正博監督、長谷川一夫・山田五十鈴主演、ダシール・ハメット「影なき男」原案による[昨日消えた男]新しいものは2001年竹中直人監督・主演の[連弾]である。 時代劇ブームだそうだが[座頭市千両首][椿三十郎][眠狂四郎女妖剣][宮本武蔵・巌流島の決闘]等々名画が満載である。

当日券のみで、各作品900円均一 
映画のラインナップはこちらまで
http://www.oms.gr.jp

印象に残る映画は人それぞれです。生い立ちや見たときの状態で共感したり、目に焼き付いた映像、忘れられない台詞、的を得たグッとくるサウンド、主人公に感情移入する演技やストーリー展開。アクション、コメディ、ホラー、ミュージカル等々好みのタイプでいろいろです。
私が見た好きな映画100本の印象を綴りながら連載しています。遥か前に見た記憶なので思い違いがあると思います、お気づきの点や共感されたこと、違う見方のご意見がございましたらメールをお願いします。

連載057
アラビアのロレンス[Lawrence Of Arabia]USA 1962
監督:デビッド・リーン  

主演:ピーター・オトゥール、アレックス・ギネス、オマー・シャリフ、アンソニー・クイン

初めて見たのは遙か30年も前、梅田のシネラマOS劇場だった。大きな画面で壮大な砂漠のシーンを見て感動したものだ。遙か遠くに砂埃が見え、蜃気楼で揺れている黒いものがだんだんと近づいて来る、オマー・シャリフの登場シーン。月の光と影でくっきりと映し出される風紋、風に舞う砂。イントロのあっけない事故のシーンでひきこまれたのも記憶にある。

最近、友人からDVDを借りて見てみた。ほとんどはすっかり忘れていた。最初、黒い画面で音楽が演奏される時間が暫くある。始まる前のセッティングのようで、モーリス・ジャールによるオーケストラの美しいサウンドが気分を高める。DVDには映画のメイキングも入っていて、長期間の砂漠のロケで、風で舞う砂や厳しい暑さにかなり悩まされ続けたようである。そんな中で監督やスタッフの粘り強いがんばりにより、美しい映像が捉えられている。

イギリス軍の制服を着ているときはなよっとした男が、アラビアの衣装をまとって次々と戦略を成功させ、自信にあふれたリーダーとなる。衣装担当のインタビューで、サイズの合わない、水洗いしてあまりプレスもしていない軍服をきていたそうだ。砂漠に取り残された一人の兵士を酷暑の中を引き返し命を救う強い正義感。反面、ナルシストで気取り屋で、逃げるトルコ軍兵士をむやみに殺す残虐な面もみせるロレンスの人間が描かれている。

しかしなんといっても、何一つ無い砂漠に、点のような駱駝が歩くショット。いくつかの大きな岩のある砂漠の小さい人影。砂埃をたてて走りゆくロレンス率いる兵士達。砂漠の地平線から昇る太陽。小さく見える兵士の軍団と彼らを崖の上から見送る人々との大きさのコントラスト。砂漠の稜線にずらっと並んで隠れ、列車を爆破して走り出す兵士など、壮大なスケールのシーンが素晴らしく、心に残る映画である。


連載058
天国の日々[Days of Heaven] USA 1978
監督:テレンス・マリック 

主演:リチャード・ギア、ブルック・アダムス、サム・シェパード

テレンス・マリック監督は、この映画のあと98年の[シン・レッド・ライン]まで20年間も発表していない寡作な人であるが、どちらも質の高い映画である。[シン・レッド・ライン]は太平洋戦争のガダルカナルの戦いで、上官の命令に逆らって自分の部下の命を守ろうとする下士官の話である。イントロの南の島の原住民の穏やかな生活と美しい島の映像は心に残っている。

それにもまして、この[天国の日々]全編が美しい写真集を見ているような素晴らしい映像である。ストーリーがどうこうなどというより、美しい映像を味わう映画である。撮影はネストール・アルメンドロス。 他に[ソフィーの選択][青い珊瑚礁][終電車]等々、特にエリック・ロメール監督の[海辺のポーリーヌ]の紫陽花の咲く裏庭や海辺のシーンはこの映画と同様に強く印象に残っている。もう一人はハスケル・ウェクスラー。[ウディ・ガスリーわが心のふるさと][カッコーの巣の上で][夜の大捜査線]などがあり、特に[アメリカン・グラフィティ]の黄昏の空にネオンサインが浮かび上がるメルズ・ドライブインのショットは忘れがたい。この二人によって撮られている。

アンドリュー・ワイエスの絵を思わせる、草原の中の一軒家。黄金色に輝き風に揺れる一面の麦畑。燃えさかる炎の色とかたち。クローズアップされる花や昆虫なども、メリハリが利いて効果的な田園風景の映像詩である。ずっと後にTVで放映されていたのを見たが、画面の色がどうも違うなという印象だった。やはり映画館のスクリーンで見るのがいちばんである。

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