2003私家版七曜表展
開催中!

■12月14日(土)まで
■ギャラリー 雲母 (きら ら)倶楽部
 11AM〜7PM
  最終日5PMまで

先生も走る師走。私も走って、減量しなければと思うこの頃。カレンダー展に参加出展しています。天満宮界隈の方は是非、そうでない方もご高覧ください。

 

 

秋の大阪城公園

ときどき自転車で運動がてら、公園内と周辺道路を走る。所々赤く色づいた木があるが、イチョウの黄色が多く目につく 。お濠にはカモやらがいて和む。市内では数少ない、木々の多い自然に親しめるところ。

印象に残る映画は人それぞれです。生い立ちや見たときの状態で共感したり、目に焼き付いた映像、忘れられない台詞、的を得たグッとくるサウンド、主人公に感情移入する演技やストーリー展開。アクション、コメディ、ホラー、ミュージカル等々好みのタイプでいろいろです。
私が見た好きな映画100本の印象を綴りながら連載しています。遥か前に見た記憶なので思い違いがあると思います、お気づきの点や共感されたこと、違う見方のご意見がございましたらメールをお願いします。

連載059
キング・コング[King Kong]USA 1933
監督:メリアン・C・クーパー/アーネスト・B・シェードサック
 
主演:フェイ・レイ、ロバート・アームストロング、フランク・ライチャー

子どもの頃見た初代のゴジラは、火を噴いて何でも壊して暴れて、ほんとに怖かった。それに比べるとキング・コングは気の毒である。島の原住民が神と崇めて、自から生け贄の女を捧げているだけで、何も悪いことしているわけでもない。島民の為に恐竜どもを退治している。だだ、島に来た金髪美人に恋をしただけである。気は優しいのに体がでかいだけで、勝手に怖いと大騒ぎして。おまけに、見せ物にしようとニューヨークまで連れて行かれた。よってたかってフラッシュをピカピカするから、びっくりして逃げようと思っただけで、暴れた訳ではない。島でバナナを食べて、金髪美人の水浴びを手伝って平凡に暮らしたかったのに、身勝手な人間のために、とんでもない人生?になってしまったのである。

気の毒といえば、ラッセ・ハルストレム監督の[サイダー・ハウス・ルール]の孤児院の子ども達もそうである。週末か月1回の映写会があったが、いつも[キング・コング]だった。ヴィデオレンタルのない時代なので、フィルムを買うのも高かったのであろう。それ1本しかなかったのである。子ども達の頭には初めから終わりまできっちり記憶されていることだろう。

[ジュラシック・パーク]で恐竜が動くのを見てすごいと思ったが、次々にエスカレートする新しいテクノロジーのCG特撮を見せられ、新鮮さを感じなくなってしまう。それに対して[キング・コング]は、人の手でひとつひとつ動かしながら撮られた特撮に愛情を感じてしまうだけでなく、あの動き自体が今でも面白い。緻密に描かれたリアルな絵のテクニックに感心させられても、ピカソやミロのデフォルメされた絵のほうが面白いと思うようなものであろうか。ほぼ70年も前につくられたことに驚くとともに、CGのテクノロジー中心のリアルさを追求するばかりの映画づくりになっているハリウッド大作が面白くないと感じている。


連載060
大いなる勇者[Jeremiah Johnson] USA 1972
監督:シドニー・ポラック  

主演:ロバート・レッドフォード、ウィル・ギア、アリン・アン・マクレー

アメリカン・ニューシネマと呼ばれた時代から[明日に向かって撃て]をはじめ、ウエスタンのスタイルが変わってくる。60年代までのウエスタンでは、さすらいのガンマンは馬にまたがり西部の町から町へと旅を続けていたが、冬のシーンはあまりなかったように思う。インディアンも殆ど裸で騎兵隊と戦っていた。この映画では冬の厳しい生活ぶりを見せてくれる。アパッチやシャイアンなどの種族ばかりでなく、戦闘的や友好的ないろんな種族があることや、種族によって神聖なものなど、それまでとは違う面を見せている。

ジェレマイア・ジョンソンという実在の男が、人間社会を離れ自然の中で生きていこうと決意し、ロッキーの山へやって来る。たまにアウトドアーライフを楽しもうと山に行くのとは、全く異なる山の生活である。夏や秋のいいシーズンばかりではなく冬がやってくる。住む家、食べるもの、寒さを凌ぐ衣服や暖をとる燃料など自分の手で調達しなければならない。分譲ログハウスや食料品スーパーやダウンジャケットもファンヒーターなどの便利な道具もない100年以上も前の現実の生活は、大変である。ある日、雪の中で凍ってしまった男から銃を貰う。この銃をプレゼントするという遺書が残してあった。そして運良く、長年山で暮らしている男に出会う。彼から厳しい山の生活をするための知識を学び、次第に逞しい山男に成長していく。当時ヒッピー達の理想として試みられた、都市社会の消費生活とは異なる、厳しくても、自然の中で自由に生きる人生もあることを示していた。

私は寒いところは苦手である。20代後半の4〜5月頃だったが、スイスのコーヒーの広告で雪山でのイメージ写真を取ることになって、立山に行ったことがあった。春でも山スキーの出来るところである。着いた日の夕方、ホテルからぶらぶらと山のほうへ散歩に行くと雷鳥がうろうろしているのが見えた。フロントで雷鳥を見たと言うと、「そうですか、明日は天気が悪いです」という返事だった。

やはり翌朝は曇って雪もチラホラ降っていた。室内の撮影だけして、昼からスキーをしようということになった。ディレクターは雪国育ちでスイスイ滑れる。フォトグラファーも何度もスキーには行っていたので、直ぐに話はまとまった。ホテルで道具を借りていきなりホテルの前から滑りだす。初めての私も、勢いよく滑り出すがスピードが出てくると怖いので、転んで止まるのを繰り返していた。空は吹雪いてくるし、手は冷たいし、半べそで「もう帰りたい」と言ったがどうにもならず転んで転んで日も暮れかかる頃にバス停にたどり着く。板を外してバスに乗ったときは、ほんとにホッとした。100年前の山の中だったら、スキーをプレゼントするという遺書を残して凍っていただろう。以来、スキーに行ったことはない。雪国では暖かい旅館の窓越しに、雪の舞う荒れ狂う日本海を眺め、蟹を食べるのがいちばん。到底、山男にはなれない。

[明日に向かって撃て]の逃避行を続ける男サンダンス・キッドとはうって変わり、逞しく復讐に燃える一匹狼のロバート・レッドフォードがかっこいい。

what's news

黄色い絨毯が敷かれたようなイチョウの小さな林

昔買ったポストカードより。