日本庭園を巡る[3]桜の龍安寺方丈庭園

染井吉野は散ってしまいましたが、満喫されましたか?
龍安寺の枝垂れ桜を満開のときに見ることが出来てラッキーでした。
しかし、枯山水には桜は華やかすぎる感じですが、年に一度ぐらいはこんな眺めもうれしいものです。
この時期平日でも訪れる人が多く、廊下に座り長時間眺めるにはちょっと落ち着きません。

龍安寺の境内の枝垂れ桜

印象に残る映画は人それぞれです。生い立ちや見たときの状態で共感したり、目に焼き付いた映像、忘れられない台詞、的を得たグッとくるサウンド、主人公に感情移入する演技やストーリー展開。アクション、コメディ、スリラー、ミュージカル等々好みのタイプでいろいろです。
私が見た好きな映画100本の印象を綴りながら連載しています。遥か前に見た記憶なので思い違いがあると思います、お気づきの点や共感されたこと、違う見方のご意見がございましたらメールをお願いします。今月はジョージ・ロイ・ヒル監督作品を2本。

連載019
明日に向かって撃て![Butch Cassidy and The Sundance Kid]
USA 1969

監督:ジョージ・ロイ・ヒル

出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス

イントロのタイトルにカタカタと映写機の回る音をたてながら、セピア色の小さい画面でサイレント時代のようなぎこちない動きの列車強盗のシーンが出てくる。ストーリーが始まってもセピア色の画面で、暫くするとそれがすーとカラーに変わる。そんな小細工が嫌いだという人もいるが、見たときは「楽しんでつくっていて、凝ってるな」と思った。

当時は西部劇は古い臭い感じがして好きではなかった。それでもこの映画を見に行ったのは、当時次々に洒落たサウンドを生み出していたバート・バカラックの曲[雨にぬれても]を聞いて気に入っていたからである。見てみると、それまではいつも悪役にされて気の毒なインディアンと騎兵隊の戦いや強盗団や山賊とさすらいのガンマンの決闘などの正義は必ず勝つという定石の展開を壊した、ニューシネマ時代の感覚のスタイルで新鮮に感じた。同時期に志向は異なるが[ワイルドバンチ]や[ソルジャー・ブルー]もある。

ブッチ(P・ニューマン)とサンダンス(R・レッドフォード)は日本が明治時代の頃の実在のアウトローだそうだ。話は[俺達に明日はない]のウエスタン版の逃避行であるが、ジョークの利いた台詞で悲壮感は無い。ブッチとキャサリン・ロスが扮する女教師が自転車に乗って庭を走り回るバックに[雨にぬれても]が流れ、リリカルなショットだった。 執拗な追跡から逃れて南米のボリビアへ、そこでも銀行強盗をするが言葉が通じないというのがおかしかった。「次はオーストラリアへ行こう。あそこは英語が通じる」と言って飛び出してストップモーションになるエンディングが印象的。

連載020 
スティング[Sting]USA 1973
監督:ジョージ・ロイ・ヒル

出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ

「明日に向かって撃て」に続く連続ヒット。監督と名優トリオによる今度は1930年代の詐欺師の話。30年代のノスタルジックな雰囲気がたまらなくおしゃれな感じだった。ストリーの途中、何度か画面全体が本の中扉になり、小説のようなサブタイトルが出てくる。そこには30年代の雑誌の表紙のようなクラシックなイラストが描かれていた。そのページがめくられて、イラストがそのままの映像に変わるところが「おっ、すごい。カッコイイ」と思った。そして、音楽がスコット・ジョプリンのラグタイム・ピアノの曲「ザ・エンターテイナー」が、古き良きアメリカのいい感じを出していた。しばらくしてLPを買ったが、やはり映画を見ながら聞くほうがより気分に浸れる。

1975年にL.A.のユニバーサル・スタジオに行ったとき、この映画のメイキングのようなものをやっていた。シカゴのループという環状線のような高架を走る電車と別のセットが画面で合成される様子を見せてくれた。この映画を見てから1年後ぐらいだったので、興味深く見たのを覚えている。ストーリーは言えないが、「あっ!」と驚かされてギャングのボスだけでなく映画を見ている観客も「まんまとしてやられた」という感じだった。こんな映画のファッション、車のスタイル、インテリア、街並みなどを見ながらアメリカン・ノスタルジーが好きになっていった。

大阪にユニバーサル・スタジオがオープンしたが、雑誌などで見ると子供の好きそうなETやジュラシック・パークなどの乗り物やアトラクションばかりのようだ。その中でチラッとメルズ・ドライブインのレストランがあるという記事を見た。アメリカン・グラフィティのイントロに出てくるあのドライブインである。ウエイトレスはローラースケートを履いて注文を取りに来るのだろうか?店の前にはオールディーズのアメ車が止まっているのだろうか?ちょっと見てみたい気分である。

テーマパークはあまりに子供中心過ぎる。もっと大人の気分で楽しめるところがが欲しいものである。例えばウエスタンのサルーン。もちろんバーボンをストレートで。2階にはホンキー・トンク・ウイメンがスカートを上げて太股をチラチラと見せている。スタッフである髭面のいかついアウトローにいちゃもんをつけられ「表へ出ろ!」そして「早く抜きやがれ!」と決闘なる。70年頃ユル・ブリナーがロボットになった[ウェストワールド]というテーマパークの映画があった。

また、禁酒法時代のシカゴの街並み。まだ馬車の名残りをとどめる箱形の車が駐車してあり、ギャングらしきスーツを着た男達が歩いている。散髪屋に入って地下へ降りドアをノックすると、小窓が開いてぎょろっとした目がこちらを見てそしてドアが開く。そこには秘密のクラブがあり、ジャズにのって網タイツのきれいな脚の女達がダンスを踊っている。カクテルを飲みながらサイコロを振っていると、そこへFBIが踏み込んで来て客と女達は裏口から散りじりに逃げる…とか、どうだろうか。

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