Frank Lloyd Wright設計の住宅と同時代の建築をを見る

フランク・ロイド・ライト(1869〜1959)はカウフマン邸、ジョンソン・ワックス社屋、グッケンハイム美術館、旧帝国ホテル等の名作をはじめとして、数多くの設計をしたU.S.Aを代表する建築家である。 私は少年の頃に日比谷に行ったときに旧帝国ホテル(現在はロビー等の建物の一部が明治村に移築保存されている)と20才代・30才代のときにグッケンハイム美術館は見ているが、今回初めて芦屋の旧山邑邸(現在はヨドコウ迎賓館)の見学に友人の建築家と同行した。
F.L.ロイドは旧帝国ホテル建設のため来日(1916〜22、大正5〜11年)した際の1918年に山邑邸を設計しているが、帰国後の1924年彼の高弟、遠藤 新(あらた)や南 信らによって竣工された。この建物はF.L.ライトによる日本でつくられた住宅のなかで、建築当初の姿をそのまま保っているただ一つの作品である。そして、大正期の建造物として、また鉄筋コンクリート造りの建造物として初の重要文化財に指定されている。
旧甲子園ホテル(現武庫川女子大)

このホテルはJR甲子園口の南、武庫川の近くにある。東京の帝国ホテルと同じ系列で、関西のリゾートホテルとして建設された。旧帝国ホテルを設計したF.L.ライトの高弟だった遠藤 新により設計され、1929年に竣工。翌年開業しているが一年ほどで建てられたというのは驚く早さである。壁面や内装・照明など当時、流行のスタイルだったアール・デコでまとめられている。戦中から戦後へと幾多の変遷を経て、現在は大学の校舎として使われている。
1階車寄せの部分、奥の右手が玄関。垂直と水平の構成が美しく、装飾された大谷石が時を経た風格を感じさせる。
銅版の飾りがドアや窓そして和室の欄間にも取り付けられ統一されている。下の写真の欄間はえらくモダンである。和室の天井は以外と低い。
リビングの天井の周囲にある小窓。風通しのためのものか?これだけたくさんあると開閉がたいへんである。 部屋の東と西にはピンク色の長いカウチがあり、その後に大きな一枚ガラスの開放的な窓がある(当時は大きなガラスは輸入していたそうだ)ので採光のためのものではないようだ。
ダイニングの天井のコーナーの飾りが凝った造り。ここにも三角形のかわいい小窓が周囲にあり、まるい照明が吊り下げられて幾何学的である。
下中央の写真の上の部分は素焼きのような装飾タイルでアラビックな雰囲気である。中央の壁は細長いタイルで微妙に違う色が重なり合って渋く美しい。柱と壁の出たと→
→ころにはアールデコの飾りが彫られ、柱はマヤの神殿の形を逆にしたようでもあり、右上の写真の柱の向こうには東洋的な屋根が見えハイブリッドな不思議な 感じがした。
照明はアールデコ様式。電球にに貝殻の形のカバーがかぶせてある。
バーだったところの床。まるでパウル・クレーの絵のようにタイルや石が敷き詰められている。
第一印象は一目惚れのように、「あっ、いいスタイルしてる」と思った。それはシンメトリーなデザインの建物の上に高いツィンタワー(日本名は宝塔だが、ツィンドラムス、ツィンギター、ツィンピークス?・・・英語のほうが響きがいい)がそびえていたのである。五重の塔のようにも見えるが、モダンな形である。かすかな記憶だが旧帝国ホテルもこれよりずっと低いが、煙突のようなものが2つ突き出た形を→

→していたと思う。やはり、F.L.ライトの高弟であった遠藤 新はそれの影響があったのかもしれないが、こちらの方がいい。といっても片方は遥か彼方の記憶なので比較にならないが。
今は、効率やコスト優先でノッペリしたビルが多いいが、ビルのオーナー・建築家諸氏のみなさん「一目惚れするようなイケてるのを、もっと街の中にお願いいたします。」