印象に残る映画は人それぞれです。生い立ちや見たときの状態で共感したり、目に焼き付いた映像、忘れられない台詞、的を得たグッとくるサウンド、主人公に感情移入する演技やストーリー展開。アクション、コメディ、スリラー、チャンバラ等など好みのタイプでいろいろです。
私が見た好きな映画100本の印象を綴りながら連載しています。遥か前に見た記憶なので思い違いがあると思います、お気づきの点や共感されたこと、違う見方のご意見がございましたらメールをお願いします。


連載013 
2001年宇宙の旅[2001:A Space Odyssey]USA 1968
監督:スタンリー・キューブリック 

1968年の春、関西では梅田のシネラマOS劇場で初公開されてから32年が過ぎて2001年がやって来た。映画では宇宙船ディスカバリー号が木星探査に向かうが、現実では1969年月への初上陸、最近ではNASAが打ち上げた無人ロケットが木星の映像を送ってきている。

キューブリック監督は狂気をテーマにしたものが多いい。発狂した司令官の命令で飛び立つ戦闘機の「博士の異常な愛情・・・」。冬の山のホテルに籠って狂っていく作家の「シャイニング」。凶暴な若者を暴力に嫌悪感を持つように人格を変えてしまう「時計仕掛のオレンジ」。純朴な若者がベトナム戦争の殺人兵器に訓練でつくりかえられる「フルメタル・ジャケット」。そしてこの映画も感情を持つコンピュータ「ハル」が狂って宇宙飛行士を宇宙船の外へ放り出す。

しかし、他の映画と違ってこれは哲学的である。謎の黒い長方体「モノリス」。これは一体なんであろうかと、いろいろな解釈をする魅力がある。モノリスに触った猿は骨を持って道具として使い始める。○○万年後、進化した猿は月でこれを発見する。

この映画を初めて見たのは、1975年のサンフランシスコだった。字幕はなく内容は解りにくかったが、ちょっとハイな気分だったので、時空を超えて宇宙飛行士が洗面所に降り立ったシーンに引き込まれて見入ってしまったのを覚えている。洗面所のドアの窓から覗くとクラシカルで天井も壁も真っ白、床から白い光が当たっている不思議な感覚の部屋。そこで老人が食事をしているのを見ているとそれが彼自身になり、左を見るとさらに老いた老人がベッドに寝ている、それがまた彼自身になり、そこに立ちはだかるようにモノリスが現れ、そして透明なものに包まれて浮んでいる胎児が現れる。これは、新しい人類の誕生なのかモノリスは新しい命に何を吹き込むのか、それとも命の輪廻なのかさまざまに思いめぐらされる映画である。

従来の映画では必ずといっていいほど創られていたサウンドトラックはなく、既製のクラシック音楽が効果的に使われていた。インパクトのあるイントロの「ツァラトゥストラはかく語りき」やゆっくり回る宇宙ステーションのシーンに流れる「美しき青きドナウ」のミスマッチの優雅な美しさは驚きであった。


連載014 
ブレードランナー[Blade Runner]USA 1982
監督:リドリー・スコット 
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ダリル・ハンナ

ハリウッド映画の描く未来は、大体どれも街が暗くて荒廃したシチュエーションのものが多く、アメリカらしからず悲観的である。
 
太陽エネルギーで電気はまかなわれ、車は電気自動車になっていて空は青々と晴れ渡り、タンカーからの原油の流出で海が汚れることもなく、下水は完璧に完備され、湖や河の生きものがよみがえリ、街の会社・商業施設・住宅は100〜200階建てのビルに集まり、代りに静かで広い緑あふれる公園がたくさん出来て鹿・猪・兎をはじめいろんな野生の動物がそこで草を食んだりして暮らしている。今の一般的ステイタスである金持ちで大きな家や車とか、いろんなものを持つのが豊かと思う物欲消費文化に代り、カルカッタのマリア・テレサや宮沢賢治の「雨にも負けず」の詩のような社会や人のために尽くすことが最高のステイタスでカッコイイという考えが定着した世の中。こんな未来では映画の話にならないからか。または、荒廃した未来を見てあんな時代に生まれなくて良かったと、納得するためであろうか?

この映画も公害でいつもビシャビシャと酸性雨が降る薄暗い世界である。そのなかで背景に見えるアウトフォーカスのネオンなどの光が美しく撮影されていた。新鮮だったのはL.A.の街がアジア人の増加で文化が混ざりあい、ビルの上に芸者ガールがにっこり笑う「強力わかもと」の広告があったり、屋台のうどん屋やベトナムあたりで被ってる帽子の人達が自転車で走ってくる。2019年にこんなのは無いだろうと思ったが、近未来のSFでこの感じが面白かった。

そして写真の拡大をするシーンである。1枚の写真を拡大、トリミング、また拡大を繰り返して小さなウロコを大きく引き伸ばす。今のデジタルではまだムリだが、近い将来100億画素のカメラが可能にするかもしれない。見た当時、35ミリフィルムをB1ポスターに伸ばすぐらいは普通だったが、この拡大は驚きだった。

ルトガー・ハウアーのレプリカントが自分たちを殺すのが仕事であるブレードランナーをビルの上に追い詰める。もっと生きたいと願う短命のレプリカントが、尊い命の大切さを感じて落とす寸前でブレードランナーを助けるシーン。泣けます。

見終わって外に出ると夜になって雨が降っていて、濡れた道路にアジア的なネオンが写っていた。映画がまだ続いているような感じで、濡れながら帰ったのを覚えている。

What's News

謹 賀 新 世 紀
 
20世紀から21世紀のカウントダウンとともに
明石海峡大橋を背景にJR朝霧駅浜側の
普段は人気のない 大蔵海岸に凄い数の人が集まり見守る中
華々しく 花火が打ち上げられました。
いい年になりますようにと祈りつつ、
シャッターも切りましたが
打ち上げ場所が近すぎて花火が全部入りませんでした。
冷静に考えず人が多いからと前へ前へと行ってしまってはダメダメです。
花火はでかくて迫力がありました。
今年こそ、ぱーっといきたいですね。