印象に残る映画は人それぞれです。生い立ちや見たときの状態で共感したり、目に焼き付いた映像、忘れられない台詞、的を得たグッとくるサウンド、主人公に感情移入する演技やストーリー展開。アクション、コメディ、スリラー、ミュージカル等々好みのタイプでいろいろです。
私が見た好きな映画100本の印象を綴りながら連載しています。遥か前に見た記憶なので思い違いがあると思います、お気づきの点や共感されたこと、違う見方のご意見がございましたらメールをお願いします。


連載027
サイコ[Psycho]USA 1960
監督:アルフレッド・ヒッチコック

主演:アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー

ホラー、スプラッター、オカルト映画はダメである。血が飛び散ったり、エグイ殺され方の死体や、物陰から急に出て驚かしたり、怨念のこもった古い屋敷や人形など、見たくもない。今月はすごいと思ったホラーをもうこれっきりの2本。

遥か昔、TVがまだあまり普及していない頃の映像の情報に、映画に行くとニュース映画というのが予告編、本編の前にあった。アイゼンハワーやフルシチョフ。メジャーリーグやアメリカン・フットボール、ニューヨーク・パリ・ロンドンなどいろんな世界をこのニュースで見ていた。学校からもときどき文部省推薦映画を見に行ったが、その中で、本編は何を見たか全く覚えていないが、このサイコの予告編はよく覚えている。ヒッチコック自身が、映画のセットで丘の上にある家の寝室のベッドの横に立って「これは母親のベッドです。長い間同じ姿勢で寝ていたので人のかたちに凹んでいます」というような事を話していた。そして、モーテルの一部屋に入り「ここが、バスルームです」等と言い、シャワーのカーテンを開けると「ギャーーー」と裸の女が絶叫。もう、びっっっくりだった。

本編を見たのは20代になってだが、エンディングは「アッと驚く……」であった。シャワーのシーンはシルエットだけで殺すシーンは直接見せてないが、シャワーの水がサーッと黒くなって流れるのを見ると痛そうというのが、想像をかき立ててすごく伝わってくる。そのうえ、キャーンキャーンという音が効果的だった。また、池の中に車を沈めるシーンでのA・パーキンスの目が恐ろしかった。

'75年にL.A.のユニバーサル・スタジオに行ったとき、この丘の上の家があった。昼間だったので、あれはサイコのだと思って見ただけだが、夜で窓に明かりがついていて、人影が見えて包丁を持っていたらリアルだろう。


連載028
シャイニング[The Shining]USA 1980
監督:スタンリー・キューブリック 

主演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュバル、ダニー・ロイド

ハリウッドSFX大作、最初は恐竜が草を食べてるだけで、凄いと思った。しかし、予告編でベストショットを見せるが、本編を見るとSFXばかりに力が入りストーリーがつまらなくてガッカリするものが多い。予告編でつっておいて客さえ映画館に来れば、あとはこっちのものという事であろうか。アメリカ製「GOGILA」はその最たるもので、半年以上前から予告編をやっていて、公開が近ずくにつれ段々とショットを増やしていた。公開直前はピークで、その予告編を見た私はこれはすごいかもと思った。子供の頃に見たあの怖いゴジラがリアルに復活するのだと思った。しかし、本編は散々だった。

シャイニングの予告編は象徴的でイマジネイティヴである。ホテルのエレベーターの正面からのショット。暫くするとエレベーターのドアが開いて、大量の血が流れてくる。ただそれだけだが、この強いインパクトのあるシンプルさが、何か不気味な凄さをイメージさせるものがあった。本編も流石キューブリック監督、期待を裏切らない恐ろしい映画だった。

キューブリック監督はいつも最新機器を上手く使っている。超広角レンズ、高感度フィルム、そしてこの映画には、ステディカムを取り入れている。子供が三輪車でホテルの廊下を走るシーンで、後から揺れずにまさに霊がスーと追いかけているように撮られていた。編集で気に入ったのは、ホテルの前に植え込みの大きな迷路があってその模型がロビーに展示してあった。その模型に近づいて上から見ると、豆粒の大きさの子供が走っているのが見えた。高いクレーンで上から撮影したショットをつないであった。

雪で閉ざされたコロラドの山の中の伝統ある古いホテル。カタカタとタイプライターを叩き仕事をする小説家。ある日奥さんがその書いた原稿を見て驚く。原稿がアップになって内容を見たときは、「アッ、狂っている」と判ってゾクッと背筋に寒けが走った。その他にも幻覚のような、双子の女の子やバスタブのお婆さんも気味が悪かった。キューブリック監督らしい映像のバーのシーンが良かった。下から光が灯っていて、幻想的な雰囲気。バーテンダーの顔がニヒルで怖い。店内は幽霊がいっぱいいて、酒を飲んでいる。その時既に小説家はあっちの世界へ行ってたんだろう。

別の映画だが、ずいぶん前にTVで見たサイコとシャイニングが合わさったような展開。カレン・ブラック主演で、夏のシーズンに家を空ける人の家を借りて家族でヴァケーションを過ごす話。山の中の静かなところ。最初の日に屋根裏にいるお婆さんに毎日食事を持って行ってくれと頼まれて、「よい休日を」と家主は出かけていく。日が経つにつれ母親(カレン・ブラック)がそこへいる時間が長くなっていく。ヴァケーションが終わって帰る日、お婆さんにお別れの挨拶をして来ると言って屋根裏部屋へ行く。なかなか降りてこないので、しびれを切らして呼びに行く。部屋には女の人の写真がたくさん飾ってあり、お婆さんが一人椅子に座っていて…… この映画のタイトルを忘れてしまったのだが、ご存知の方は教えてください。

What's News

天神祭は花火大会ではない!

それは分かっている。天神祭のメインは船渡御だ。しかし、花火があがると見てしまう。見るとなんかもの足らない。あげ方がどうも不完全燃焼である。いつもは2カ所だが、今年は大阪城からもヒョロヒョロとあがっていた。

予算の事もあるだろう。だから、もっとメリハリをつけて8時50分から9時ぐらいに集約して一気にクライマックスとしてあげたらどうだろうか。その方が、始まりからその時間までは船にもっと目が行くと思う。

花火は阪神の助っ人のような、数ばかりたくさんの小玉でなく、ペタジーニ・ガブレラ・ローズのような大玉を5発10発バーン、バーンとあげてフィナーレとするほうが見た目にもきれい、気分も高揚して、すかっとさわやか天神祭ではないだろうか。いつも見ていてそんな気がしている。